日本という国・日本人が、IT分野とかなり相性が悪い理由について解説します。
日本という国や日本人がITに弱いことの、主な4つの理由
1「日本のIT業界の産業構造のせいで、日本のIT企業がひどいブラック企業になりやすい」
ソフトやシステムの発注で「多重下請け構造」を取っている
多重下請け構造とは、
顧客から「こういうソフトウェア・こういう情報システムを作って欲しい」と注文を請けた元請け企業(たいていは大企業)が、
二次請け企業(中小企業)へソフト・システムの製作を発注し、それを請けた二次請け企業は三次請け企業へ発注し…、
という、下請けが多重化している構造のことです。
二次請け、三次請け、四次請けと下へ進むほど、賃金の額と労働環境は悪化していきます。
日本のIT業界では上記の多重下請け構造を取っていて、元請け企業である大企業以外はどうしても悲惨な状況になりやすいため、
必然的に日本のIT業界はブラック業界になってしまい、有能な人材達が業界から逃げ出してしまったり業界へ寄りつこうとしない、という事態になっています。
もしも勤めているIT企業があまりにもブラック企業である場合、心身の安全を第一に考えて、転職することも検討するべきです。
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2「日本企業の雇用慣習の悪影響を受けて、ITエンジニアが活躍しづらいから」
- 日本という国では法律上の解雇規制が非常に強くて、いったん企業が雇用した人物は、そう簡単には解雇できない
- 上記の事情により、どの企業も自社に「正社員のITエンジニア」を抱えたがらない
- 『ITエンジニアが、正社員として雇用されて生活を安定させたうえで、社内での業務を通してじっくりとスキルを獲得していく』ということが起こりにくくなる
- 上記の事情により、どの企業も自社に「正社員のITエンジニア」を抱えたがらない
本項目で解説している、どの企業も自社に正社員のITエンジニアを抱えたがらないという事情が、
「派遣社員」「契約社員」といった生計が不安定な雇用形態のITエンジニアが多くなることにつながったり、
本記事の1「日本のIT業界の産業構造のせいで、日本のIT企業がひどいブラック企業になりやすい」で解説した多重下請け構造の問題が解決しないことへつながります。
3「”日本人の国民性”と”IT”との相性が、かなり悪いから」
日本人の保守的気質と楽をすることへの抵抗感が、ITとかなり相性が悪い
- 日本人の多くが保守的気質をもっていて、そのせいで「変化すること」「現状を変えること」「斬新さ」などを毛嫌いしやすい
- 日本人の多くに「苦労すること・忍耐することを美徳とし、楽をしたり負担を減らすことを拒絶しやすい」という傾向がある
- 「ITの発展」には『変化』『これまでの常識を変えて、もっと楽に便利にすること』という要素が極めて重要であるため、
日本人の国民性とITの発展はかなり相性が悪いと言える
- 「ITの発展」には『変化』『これまでの常識を変えて、もっと楽に便利にすること』という要素が極めて重要であるため、
日本人は「形が無いモノ」を取り扱うことが、かなり苦手
- ソフトウェアをはじめとした、電子データ全般
- 電子マネー
- 金融(株式取引など)
- 商品や企業のブランド化
- 製品や手法などの『規格』の統一化・標準化
- 上記のリストのような、物理的な質量が無い存在を取り扱うことが、日本人はかなり苦手である傾向がある
4「日本人は日本語を使用しているため、英語圏の国の人々にはIT分野で遅れを取りやすい」
- 各種のプログラム言語は、そのほとんどが英語を基準にして設計されている
- 上記の事情により、アメリカなどの英語圏に生まれついた人達にとってはプログラム言語はかなり理解がしやすいが、
日本語圏に生まれついた日本人にはプログラム言語はかなりとっつきにくい
- 上記の事情により、アメリカなどの英語圏に生まれついた人達にとってはプログラム言語はかなり理解がしやすいが、
- プログラミングに関する先端のニュース・論文は、そのほとんどが英語で記述されている
- プログラミングに関してニッチだったりマイナーな分野の知識・マイナーな問題の解決方法を知ろうとしたら、英語の原文を調べるほかないという事態になりがち
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