プロのライトノベル作家を目指すことにおける、大きな危険について解説します。
ライトノベル作家を目指すことが危険である、2つの理由
1「ライトノベル作家になるための、新人賞の受賞が困難を極める」
ライトノベル作家としてプロデビューするためには、
出版社が定期的に開催する新人賞コンテストで、何かしらの賞(金賞や特別賞など)を受賞することがほぼ必須という状況になっています。
賞を受賞するための競争倍率は、
少なくとも約100倍、人気のレーベルの新人賞コンテストの場合では500倍以上に達します。
2「たとえライトノベル作家になれたとしても、極めて生計が不安定」
年間での収入見込みが低いので、貧困状態になりやすくなる
- 小説の本の単価が600円
- 印税率が8%
- 発行部数が1万部(新人作家の場合は、初版は1万部程度しか刊行してもらえない)
- 上記の設定では、ライトノベル作家が得られる印税は、
600円×0.08×1万部=48万円(所得税を引く前の金額)
- 上記の設定では、ライトノベル作家が得られる印税は、
1冊分の小説を執筆するために、
調査のためや執筆のためや、編集者による書き直しの指示での本文の書き直し作業で、約4ヵ月の時間が必要だと言われています。
無名の作家では1年中執筆を続けたとしても年収が200万円以下になる可能性が高く、
しかも、次の項目で解説するように、作品シリーズが打ち切られて出版社との契約関係が切られる場合さえも少なくありません。
作品の打ち切りが連続した場合、出版社との契約が切られる
以前の時代では、3回程度、作品の打ち切り(その作品シリーズの続編を、不人気が原因で出版できなくなること)が起こった場合、
その作家は、自身が出版契約を結んでいた出版社との関係が切られる、と言われていました。
現代では作家の入れ替わりが激しく(小説投稿サイト「小説家になろう」など、作家を発掘する場が以前よりもずっと増えたため)、
1回打ち切られると、そこで出版社との関係が切られてしまうと言われています。
多くの若者達がライトノベル作家を目指してしまう主な理由
社会への影響力が大きな職業であり、多くの人達があこがれるから
- 自身が執筆した小説が、商品として社会に流通して、何万人や何十万人という多くの人達に読まれる
- 自身の小説作品が世間で好評を博せば、小説原作の漫画化・アニメ化・ゲーム化などのメディアミックス路線もあり得る
- 自身の小説作品に何回も重版がかかったり、小説作品の関連商品が売れれば、多額の印税で裕福になれることも、ラノベ作家へのあこがれを助長してしまう
- 「商業小説家」という希少な職業であるため、血縁者や友人知人に賞賛されることが多くなる
- 上記のように、ライトノベル作家という職業には多大な魅力が備わっているので、多くの人達があこがれてライトノベル作家を目指してしまう
「ライトノベルの執筆なら簡単にできそう」という思い込み
- 「絵を描くスキル」や「漫画を作るスキル」や「作曲のスキル」や「プログラミングのスキル」などの”高度なスキル”が、ライトノベルの執筆には求められないと思い込まれがち
- 「文章が書けて、漫画的なストーリーを考えることができれば、ただそれだけでラノベを書ける」と、ライトノベルの執筆の難易度を低く見積もってしまう
上記の事情に加えて、
近年では、
ライトノベルと近縁関係にある、小説投稿サイト「小説家になろう」発の”なろう小説”が、さかんに商業作品化したりアニメ化しています。
小説家になろうで公開した作品で商業作家になれる、という表面上の手軽さが、
「ライトノベルなら簡単に作れる」という思い込みを招いている側面があります。
「現実的な就職から逃げるための逃避先として、ラノベ執筆が選ばれやすい」
高校や大学を卒業後、企業就職をせずに無職状態にある若者達の中には、
「企業を対象にした就職活動をすることが面倒だったり、怖い」「収入面や社会的ステータス面で、夢のある職業に就きたい」
という考えから、「ライトノベル作家を目指す」という目標を選択する者が一定数存在します。
- 公務員試験に合格して公務員になるための、試験勉強
- 司法試験に合格して弁護士や検察官になるための、試験勉強
- 資格試験に合格するための、試験勉強
- 医学部医学科のような難関の大学受験に合格するための、大学再受験のための試験勉強
上記のリストのようなものと同列のものとして、
現実的な就職活動からの逃避先として「ライトノベル作家を目指すための、各ラノベ作品の研究や、作品の執筆」が選択される場合がよくあります。
本ブログでの、夢を目指す際の重要なポイントを解説する記事↓も合わせてご覧下さい。
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