恋愛中に、人間の脳の中で起こっていること・変化について解説します。
恋愛中に脳に起きている、主な5つの変化
1「脳内に『PEA』というホルモンが分泌され、それによって恋愛感情を覚える」
「PEA(フェニル・エチル・アミン、phenylethylamine)」は、人間が抱く恋愛感情の根源とも言える、
恋愛において極めて重大なホルモンです。
PEAの主な効果
- 好きな異性に対して、ときめき感を覚えるようになる
- 前向きな気持ちになりやすくなり、幸福感を覚えやすくなる
- 消化を促進し、それによって肌が綺麗になる
2『オキシトシン』というホルモンが分泌されて、安心感を覚えやすくなる
- 精神面での緊張感や警戒心を解き、「安心感」を覚えやすくなる
- ストレスや不安を緩和する
- 親しい相手(たとえば自身の恋人など)に対して、信頼感・愛着感を覚えるようになる
- これらが、オキシトシンの主な効果
オキシトシンは、主に恋人とキスやハグをした際に多量に分泌され、
恋愛行為を通して覚える「安心感」「精神的な充足感」「相手への信頼感・愛着感」などの感覚の根源です。
3「神経伝達物質『ドーパミン』が多量に分泌され、精神的な高揚感を覚える」
- ドーパミンの作用により、多幸感がもたらされる
- わくわくドキドキ感が心にもたらされる
- 物事に対する意欲・やる気が大きく高まる
- これらが、神経伝達物質・ドーパミンの分泌による主な効果
恋愛によってドーパミンが多量に分泌されると、
ドーパミンの大量分泌に応じて、次の項目で解説するように「セロトニンの分泌の低下」が引き起こされます。
4「神経伝達物質『セロトニン』の分泌量が低下し、情緒不安定になりやすくなる」
- 神経伝達物質・セロトニンの主な効果は「精神状態を穏やかで安定的なものにする」というもの
- 恋愛中にドーパミンが大量分泌されることでセロトニンの分泌量が低下し、それによって「不安感や緊張感や焦燥感を覚えやすい」という情緒不安定状態になりやすくなる
恋愛中に、やたらとそわそわしたり、恋人関係で「不安」「悲観」といったマイナス感情にとらわれやすくなる理由は、
セロトニンの分泌量が低下したせいで、精神の安定効果が低下しているからです。
5「脳の判断機能が低下し、『恋は盲目』という状態になってしまう」
恋愛中は、
- 脳における「前頭葉」「頭頂葉」「側頭葉中部」の活動が低下している
- これらの部位の中でも特に、前頭葉は判断を司る働きをになっているため、前頭葉の活動が低下すると判断力が大幅に低下してしまう
- 脳における「扁桃体」の活動が低下している
- 扁桃体の活動が低下すると、相手に恐怖や悲しみや敵対心といった負の感情を抱きにくくなる
上記のように脳の特定の部位の活動が低下し、正常な判断能力を失うことになります。
「恋は盲目(恋は理性や常識や分別を失わせてしまう)」という言葉の通り、
物事の損得勘定や恋人についての正常な判断が、恋愛中はいちじるしく困難になります。
3年程度でPEA等の分泌が枯渇することに、どう対処するべきか
人間が特定の相手に恋愛感情を抱き始めた時点から、約3年間が経過すると、
恋愛感情の根幹を成している「相手へのときめき感」「ドキドキワクワク感という高揚感」が急激に消失します。
その理由は、それらの感覚をもたらす本記事のPEAとドーパミンの恋愛時での分泌量が劇的に低下するからです。
このことは、医学的な検査・研究によって確認されている確かなことです。
以上のことから、恋愛感情について次のように結論付けることができると考えられます。
恋愛感情のみを根拠にして、恋人関係や婚姻関係を何年間も続けることは困難
前述した通り、
恋愛感情を抱いた時点から3年間程度が経過すると、相手との恋愛関係においてPEAとドーパミンの分泌が枯渇するためです。
そのため、3年間程度経つと恋人や結婚相手にときめき感や胸の高鳴りを覚えなくなり、それによって2人の関係が高確率で破綻するようになります。
相手との良好な関係を何年間も維持するためには、恋愛感情以外のものが必要になる
- 恋人や結婚相手の経済力が優れているため、相手との関係を維持することに大きな価値がある
- 子どもを残したいので、子どもを産んで育てるための異性・安定した家庭・結婚制度による法的な庇護がどうしても必要
- 人好きな性格であり孤独に耐えられないため、話し相手・友達として身近な人が必要
- 世間体を気にする性格であり、他者への体裁を保つために恋人・結婚相手が必要
- たとえばこれらが、良好な関係を維持するために寄与する『恋愛感情以外のもの』
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