ネット上で、ライトノベルという作品分野が叩かれやすい理由を解説します。
ライトノベルがネット上で批判されやすい、6つの理由
1「ライトノベルを読まない層にとって、ラノベには受け付けない部分が多いから」
- やれやれ系主人公を始めとした、癖が強い特徴を備えた主人公
- 男主人公が、美少女達から成るハーレムを形成すること
- ごくごく簡単なきっかけで主人公にベタ惚れする、チョロすぎるヒロイン達
- ネット上の流行語を、小説の文章に使うことが少なくない
- 有名漫画のキャラやセリフのパロディーや、その当時の時事ネタを、作品中で平気で使うことが少なくない
- 「冴えなくて無気力な男主人公が、チート能力を突然手にして、一転して大活躍する」といった、ラノベ読者の現実での状況と願望を反映しているような小説ストーリー
- たとえば、上記のリストのようなライトノベルに頻出する設定・ストーリーが、ライトノベルを読まない層にとって受け付けないことが多い
2「他の創作ジャンルよりも、ライトノベルは書くための敷居が低い、という印象」
- 上手な絵が描けてストーリーも考えられることが条件の漫画よりも、文章を書いてストーリーを考えることが条件のライトノベルは、作品を作る敷居が低いと思われやすい
- 作品を作る敷居が低いという印象から、ネット上でラノベがバッシングの対象になりやすくなる
3「他の創作ジャンルよりも、ライトノベルは歴史が浅くてなかなか市民権を認めてもらえない」
- 日本で「アニメ」が社会に普及し始めたのは、1960年代から
- 日本で「漫画」が現代の漫画に近い形に整って社会普及し始めたのは、1960年代から
アニメや漫画の歴史の深さに対して、
ライトノベル分野で「スレイヤーズ」「ロードス島戦記」「魔術士オーフェン」といった、その分野の基礎を固めた大作が発表されたのは1980年代後半からです。
ライトノベルという分野の歴史はまだ浅く、しかも分野の作品傾向が年代によってめまぐるしく変化して傾向が安定しないため、
アニメや漫画といったメジャーなジャンルよりも軽視されやすい傾向があります。
4「近隣ジャンルの”なろう小説”と内容が似ていて、そのせいで叩かれる」
ライトノベルと、小説投稿サイト「小説家になろう」で公開されているなろう小説は、
- ゲーム的・漫画的なストーリーや世界観や登場キャラクター達
- 小説の文体の傾向
といった点で強く類似しており、ライトノベルとなろう小説は近隣ジャンルと言えます。
なろう小説は作品内容が稚拙であるものが目立ち、そのせいでネット上で叩かれがちであり、
なろう小説の近隣ジャンルであるライトノベルも、なろう小説の同類と見なされて叩かれることが非常に多くなります。
5「売れているラノベは、”第三者に叩かれる余地”が大きい可能性がある」
- 露骨なハーレム展開やエロ要素を前面に押し出した作品
- ストーリーはいまいちでも、女の子キャラクター達の可愛さだけは群を抜いている作品
- 深夜アニメとして放送されるほど人気を博すラノベ作品は、これらのような作品である傾向が少なからずある
アニメ化されるほど売れるラノベ作品は、叩かれる余地が大きい場合があり、そのせいでラノベ原作のアニメを視聴した人達がバッシングすることが多くなります。
ストーリーが非常に凝っていたり硬派な作風のライトノベルはたしかに存在しますが、
それらがアニメ化・映画化のように表舞台に出てくるほど人気を博すことは、現代ではなかなか起こらないようです。
6「ライトノベルは変化が激しい創作ジャンルなので、古参ファン達に叩かれやすい」
90年代~2000年代のラノベ | 現代のラノベ | |
---|---|---|
物語の種類 | 多種多様であり、良い意味でなんでもアリな創作ジャンルだった | 「学園モノ」「異世界ファンタジーモノ」に集中している |
作中の萌え・エロの度合い | 萌えやエロは含まれていたが、それでも控えめだった | 萌えやエロの要素がかなり目立つ |
ラノベジャンルの盛況具合 | ジャンルに活気があって、たくさんの名作を生み出した | なろう小説にシェアを奪われ、ラノベジャンルが衰退しつつある |
90年代~2000年代のライトノベルを愛好していた古参のラノベファン達は、現代のラノベの各種特徴や盛況具合に拒絶反応を起こすことがかなり多いと考えられます。
そのため、古参のラノベファン達がネット上で現代のラノベを叩くことが頻発します。
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