現代の若者達の、「努力」「挑戦」に対する価値観を解説します。
現代の若者達の、努力・挑戦に関する、主な3つの価値観
さとり世代(1987年生まれ~2004年生まれの世代)の、努力・挑戦に関係する価値観は、以下のようなものだと言われています。
1「とにかく、無欲である」
- 物欲が希薄であり、あれこれと物事を欲深く求めることをしない
- 「物欲がほとんど無く、物事に執着しない」という様子が、さとりを開いた修行者のように映ることが、『さとり世代』と名付けられた理由になっている
2「情熱が希薄であり、必死に頑張ること(=挑戦)を嫌う」
- さとり世代の最大の特徴の1つとして「情熱が希薄であること」が挙げられている
- さとり世代は安定志向である傾向が強くあり、リスクをともなう挑戦は避けがち
3「挑戦した結果失敗した、という事態を強く恐れている」
- 「少々難しい課題に挑戦したが、結果的に失敗してしまった」という事態に対する、恐怖感と恥の意識が非常に強い
- 「両親や教師に大事に育てられたため、失敗や挫折への耐性が非常に低い」「ネットで事前に調査すれば失敗を回避できそうなのに、それでも失敗するのはダサすぎる、という恥の意識」が主な原因
その他、さとり世代の代表的な特徴
- ブランド品に興味が全然無い
- 買い物をすることや購入する商品・サービスに対して、コストパフォーマンスを重視する
- インドア派であり、外出や屋外で遊ぶことをあまり好まない
- 「お酒」「タバコ」といった嗜好品にあまり興味がない
- 頑張ってお金を稼ぐことよりも、自身のプライベートが充実することの方が大事
- ITリテラシーが高く、SNSのようなネットサービスを使いこなすことができる
- 恋愛に対して消極的な態度
- 人間関係において、協調性が優れている
- 生活や仕事において、ストレスフリーであることを希求する
今の若者が上記のような努力・挑戦の価値観をもつようになった理由
「お金やステータスよりも、個人の精神的充足の方を重視しているから」
今の若者達が求めている、精神的充足の詳細
- 「過酷な勉強や仕事に追われて、あくせくすること」ということが、自分の身に起こらないこと
- 勉強や仕事をしていないオフの時間を長く取ることができたり、オフの時間で楽しく遊んだりゆっくりと心身を休めること
お金やステータスをあまり求めなくなった理由
- さとり世代が生まれた時点で、住居も自動車も生活家電も両親が一通りそろえてくれていたため、ハングリー精神が育ちようがなかったから
- つまり、生まれた時点で生活の質の高さがすでに飽和状態に近く、そこから先の質の高さを求める必要性自体がほとんど無い
- 若者達の間で個人主義がずいぶん浸透し、それによって、権威やステータスに興味を示さない若者が増加したから
- 「経済のグローバル化」「生産技術の向上」などの理由から『価格が安いのに、かなり高品質という商品・サービス』が普及し、
ほとんどの場合でそれを購入すれば良いので、仕事で頑張って大金を稼ぐ必要性が低くなったから
「過酷な競争に、もはやうんざりしているから」
さとり世代はITリテラシーが高く、スマートフォンを使ってネット上の情報を収集することが得意です。
- 小中高と必死に勉強し続けて、有名大学の入試に合格しなければ、大学卒業後に大企業や華がある業界へ入ることができない
- 大企業や華がある業界へ入った後も、企業や業界の中で出世競争や同業者との過酷な競争が延々と続く
- 現代の世界で、格差社会という状況が進行し続け、やがて階級が固定され始め、階級間の移動はなかば不可能であること
上記のことはネット上を検索すればすぐに判明するため、
現代の若者世代は「人生において、果てしなく続く過酷な競争」にうんざりしており、途中で競争から降りる人が多いです。
「努力行為は、最適解を調査したうえで成功させるべき、と考えているから」
さとり世代は、スマートフォンなどを使ってネット検索をすることで最短ルートを知り、最小限の労力で努力を成功させることができる、
と認識している傾向があります。
しかし、
その認識によって「最適解を積極的に調査し、さらに、実際に努力に着手する」ということはあまり起こらず、
- 成功すること(お金持ちになったり、高効率でお金を稼ぐ方法)の方法を、ネット検索で調べ続けるだけ
- 本記事の3「挑戦した結果失敗した、という事態を強く恐れている」で記述したような、『努力した結果、失敗した』ことへの恥・不安感が強まっている
という状況になる場合が多いです。
「現代の若者達の、仕事の価値観」についての記事↓も合わせてご覧下さい。
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