公務員試験になかなか合格できずに何年間も浪人を続けている「公務員浪人」になりやすい人の特徴と、
公務員試験がかなり難しいことについて解説します。
「公務員浪人」を長期間続けてしまう人達の4つの特徴
1「社会不適合者的な性格・容姿・雰囲気をしている」
近年の公務員試験では、面接試験で「優れたコミュニケーション能力をもっているかいないか」を厳しく審査すると言われています。
そのため、コミュニケーション能力が低かったり、容姿や雰囲気が他者に悪い印象を抱かせるものである場合、公務員試験で落ち続けることが多くなります。
2「学力」「コミュニケーション能力」がそれほど高くない
- 学力がそれなりに高くないと、筆記試験を突破できない
- コミュニケーション能力がかなり高くないと、筆記試験の後の面接試験で良い評価を受けられない
- 公務員試験では面接試験の難易度が特に高く、民間企業で働いたことがある社会人経験者のコミュニケーション能力と同じくらいの能力が要求される
3「高校や大学などの学校卒業後、企業就職せずに、公務員専願で勉強し続けている」
- 在学中に就活をしたが、内定を1つも獲得できなかった
- 学校卒業後に、就職活動をいっさいしていない
- 「公務員の仕事の高い安定性と充実した福利厚生」「公務員の仕事に付随する、楽なイメージ」に魅了されたまま、民間企業への就職を嫌悪している
公務員浪人を何年も続けている人達には、上記のような経緯がよく見られます。
「就職活動をしたり民間企業で働くことが、嫌だったり怖いから、勉強だけしていれば良い状況へ逃避している」
というパターンであり、このパターンでは本人のコミュニケーション能力に大きな問題があることが多く、公務員試験に合格できないことが多々あります。
4「自分には合格する可能性が低い公務員試験から、撤退する時期を見誤ってしまった」
- 学校卒業後に何年間も無職状態・フリーター状態だから、とっくに「新卒枠」「第二新卒枠」での民間企業就職は無理になっている
- 「もう○年も公務員試験対策に費やしているんだから、今さら後には引けない」と、公務員試験にしがみついている
- これらの事情から、ずるずると公務員浪人状態を続けてしまっている
一般的に、「2回、その試験で不合格になったら、その試験からはきっぱりと手を引くべき」とよく言われています。
公務員試験から撤退するべき機会を見失って、どんどん傷口を広げていく人達は少なくありません。
「若者正社員チャレンジ事業」は既卒の若者の正社員就職を無料でサポートしてくれる専門サービスであり、
公務員試験にこだわらずに、このようなサービスを利用して正社員就職をすることも検討するべきです。
公務員浪人が後を絶たないほどの、現代の公務員試験の難易度
試験の競争倍率が非常に高く、受験者の大部分が不合格になる
地方公務員試験の場合、
公務員の職種によって倍率は異なりますが、2.5倍(最小)程度~30倍(最大)程度の競争倍率で、
全体で平均すると5倍~6倍程度の競争倍率になります。
公務員試験において、自身が受験する市区町村の職種は高確率で競争倍率が5倍~6倍程度になります。
(たとえば、競争倍率が5倍の場合、500名の受験生のうち100名しか合格できない)
民間企業の終身雇用制が崩壊した現代では、各職業の中で最高クラスの安定性を備えている公務員は大変な人気職になっていて、
そのせいで大量の受験生が公務員試験へ殺到し、合格がいちじるしく困難になってしまっています。
筆記試験で、試験科目が異常に多く、試験範囲が広大すぎる
教養科目
数的処理 | 数的推理 |
判断推理 | |
空間把握 | |
資料解釈 |
文章理解 | 現代文 |
英文 | |
古文 |
人文科学 | 日本史 |
世界史 | |
地理 | |
思想 | |
文学 |
自然科学 | 数学 |
物理 | |
化学 | |
生物 | |
地学 |
社会科学 | 法律 |
政治 | |
経済 | |
社会 |
専門科目
法律分野 | 憲法 |
民法 | |
行政法 | |
刑法 | |
労働法 |
経済分野 | 経済原論 |
財政学 |
政治分野 | 政治学 |
行政学 | |
国際関係 |
その他 | 経営学 |
会計学 | |
社会学 |
「教養科目」「専門科目」を合わせて、約30種類の試験科目があります。
(自身が受験する区分の種類によって、出題される科目の種類が変わってきます)
それぞれの科目ごとに、五肢択一の選択問題が計40題出題されます。
公務員試験では30科目程度をカバーしなければならないため、尋常では無い負担がかかります。
小論文
出題テーマに対して、800~1200字程度の文字数で文章を記述する試験です。
二次試験の「人物試験」の難易度が非常に高い
個別面接 | 受験者1名に対して面接官3名~5名、という形式の面接試験 |
集団面接 | 受験者3名~10名程度に対して面接官3名~5名、という形式の面接試験 |
グループディスカッション | 受験者5名~10名程度に対して面接官3名~5名という構成で、特定のテーマについて受験者同士が討論をする、という形式の面接試験 |
プレゼンテーション | 特定のテーマについて、ホワイトボード等を使って面接官に対して3分~5分程度で解説・アピールをし、その後、面接官と質疑応答をするという形式の面接試験 |
面接試験の時間は、試験の種類によって15分~60分程度です。
公務員試験で受験する区分によって、二次試験の面接の種類は変わってきます。
国家一般職・国税専門官・財務専門官といった一部の区分は、人物試験よりも筆記試験の方が配点が大きいです。
しかし、それ以外の公務員試験の区分では人物試験の方が配点がだいぶ大きく、
一般的には、公務員試験では筆記試験よりも人物試験の方がずっと重要だと言えます。
近年の公務員試験ではかなり高レベルのコミュニケーション能力が要求され、
面接官側のかなり高度な要求水準を満たせない受験者達は二次試験でどんどん落とされるため、
公務員試験における人物試験が、公務員浪人が続出する最大の原因の1つです。
公務員浪人とよく似た「司法試験浪人」に関する本ブログの記事↓も合わせてご覧下さい。
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