現代の若者達が、仕事に対してもっている価値観の特徴を解説します。
現代の若者の、仕事の価値観
「プライベートの趣味・余暇を、強く重んじる」
仕事が終わった後の自由時間を大切にする
- 「会社で必死に働くこと」よりも、「仕事終わりの後の自宅でののんびりとした時間・趣味の時間」の方が優先順位が上
- このことにともない、「サービス残業」「不快になるほどの長さの残業」「終業後の上司との付き合い」などは、現代の若者達は避けるようになった
仕事で稼ぐことの意味は、プライベートの生活や趣味を充実させるためのもの
「仕事をすることの意味」「仕事でお金を稼ぐことの意味」は、プライベートを充実させるため、
という価値観が若者達の間で支配的なものになっています。
「仕事をする意味は、会社に尽くすため」「仕事をする意味は、社会人としての務めを果たすため」といった考えは、すでに旧世代のものになりつつあります。
「激務」「仕事だけの人生」を強く嫌悪する
ネット上のSNSの投稿メッセージや5ちゃんねるのまとめサイトなどを通して、現代の若者達は会社の激務で忙殺されることの悲惨さをよく知っています。
そのため、「激務」「仕事だけの人生」に拒絶反応を示すことが非常に多くなっています。
「人並み以上に働きたいか」では、「人並みで十分」が昨年度に続き過去最高を更新(61.6%→63.5%)し、
過去最低となった「人並み以上に働きたい」(31.3%→29.0%)の倍以上の回答割合だった。
「仕事において自身が働く分量は、人並みで十分」と考える新入社員(平成31年度)が、過去最多の割合を記録しています。
「勤めている会社」や「会社の人間関係」に、そこまで入れこまないようにする
- 会社での仕事とプライベートはきっちり分けているため、会社での上司・同僚との人間関係は希薄なものになっている
- このことは、上司からすると「態度がよそよそしい」「愛社精神が欠落している」という風に映る
- 自分から率先して仕事を引き受けるようなことは避け、上司から指示された仕事や自身が担当する分の仕事だけを処理するようにしている
「会社はお金を稼ぐためだけの場所」と割り切る若者社員が増え、
会社への帰属意識が希薄なものになったり、会社での仕事をドライに考えるように変化しました。
「仕事で、自身のスキル・能力の成長と、やりたいことをやることを強く望む」
エン転職が2017年8月に実施した「仕事に求めること」というアンケート調査で、
20代の回答者達の間で特に該当した人が多かった項目が、
- スキルアップや自分の成長を実感すること
- 興味のある分野の仕事をすること
の2点です。
現代の若者達にとっては「専門的スキルを獲得したり、そのスキルを伸ばすこと」「やりたいことを仕事にすること」の方が、昇給・昇進などのお金や出世よりも重要だという傾向があります。
現代の若者が上記のような仕事の価値観をもつようになった3つの理由
1「現代の日本社会の状況のせいで、必死に頑張る意義を見いだせないから」
- 日本は世界第三位の経済大国ではあるが、若者達が生まれた1990年代~2000年代から現在までずっと、日本の経済成長は停滞したまま
- 日本で少子高齢化が進行し続け、労働人口が減少し、将来的に日本の経済力が大きく低下することはなかば確定している
- 国民間で格差が固定され始め、努力しても上の階層へ昇ることはかなり困難
- これらの事情から、「たとえ必死に頑張ったところで、それがきちんと報われる社会ではない」と多くの若者が考えている
2「すでにある程度満たされているため、必死に頑張ることの必要性が感じられないから」
現代の若者を取り巻く状況
衣食住 | ほとんどの場合で、生まれた時から両親が用意してくれている |
身の回りの商品の質 | 安くて高機能の製品・サービスがそろっている |
お金を稼ぐ必要性 | 安くて高機能の製品・サービスがそろっているため、必死に頑張って大金を稼ぐ必要はあまり無い |
娯楽 | ネットに繋げてあれこれ遊べるスマートフォンが一台あれば、だいたい満足することが多い |
『現代の年配世代と若者世代との間で、意見が合わないこと』の代表例として、
「ブランド品を買ったり、あれこれとお金をかけてぜいたくをすることについての意見の違い」というものが挙げられます。
年配世代は高品質・高機能のブランド品を好みますが、
若者世代は生まれた時点からある程度満たされているため、安価で高機能の製品・サービスがあればそれで十分であり、あまり頑張る必要を感じられない状況にあります。
3「若者が、自身のプライベート・価値観・満足感を重視するようになったから」
- 「毎日、長時間必死に働いて大金を稼ぎ出すこと」の重要度が低くなり、それによって他のことの優先度が上になった
- 「自身のプライベートの休憩時間や趣味」「自分の得意なことや好きなことを仕事にしたい」などの優先度が上になった
必死に働いて大金を稼ぐ事の優先度が相対的に低くなったことで、自身のプライベートや満足感の優先度が高くなった、という状況になっています。
YouTuberやVTuberの仕事で生計を立てる人が続出することに触発されて、
「自分の好きなことや、自分の才能を活かしたことで、仕事をして暮らしたい」
と考える若者が現代で多くなったことが、本項目の好例です。
もしも自身がしている仕事が自分の価値観や好きなことと合わない場合、本当に自分に合う仕事を探す必要が出てきます。
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本ブログでの、現代の若者達のお金の価値観を解説する記事↓も合わせてご覧下さい。
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