日本企業の労働効率が低い原因を、
日本企業の経営体制側の問題と、日本人の気質側の問題から、労働効率の低さを解説します。
労働効率の低さが、「日本企業の経営体制」に原因があるパターン
1「日本の法律によって、能力の低い社員達を解雇することが難しい」(最大の理由)
- 日本の会社員達は「労働基準法」「労働契約法」で手厚く保護されており、そう簡単には仕事を解雇されないようになっている
- 解雇理由が社会通念上相当であり客観的に正当と認められる場合にのみ解雇されるが、
「勤務成績が良くない」「勤務態度が悪い」といったことを客観的に証明することは難しく、そのせいでなかなか解雇できない
- 解雇理由が社会通念上相当であり客観的に正当と認められる場合にのみ解雇されるが、
日本企業の労働効率が低いことの最大の理由が、解雇規制が強いせいで能力が低い社員達をなかなか解雇できないことです。
「勤務成績を上げられないダメな社員達が会社に居座り続けること」「ダメな社員達がイスを独占するせいで、有能な社員達を会社に迎え入れられない」
といった深刻な問題が発生し、企業の労働効率が大きく低下します。
2「業務にITを導入することが遅れていて、そのせいで効率が上がらない」
日本人はITとかなり相性が悪いと言われていて、
(目の前に実在する自動車などの機械や素材などを扱うことは得意だが、手で触れられない情報・ソフトウェア・イメージ・法的権利などを扱うことは不得意)
仕事の業務や社内の環境にITを導入することが遅れていて、そのせいで仕事の効率が伸び悩んでいます。
3「経営者達の保守的な気質のせいで、昔の慣習を今でも引きずっている」
本項目の典型例は、
インターネット環境と、その環境を自由に使えるPC・スマートフォンが大部分の社員に普及しているのにもかかわらず、
テレワーク(パソコン等を使って、事業所と離れた場所で働く形態のこと)やオンライン会議が全然浸透せずに、
出社して顔合わせでする業務・会議を引きずっていることです。
労働効率の低さが、「日本人の気質」に原因があるパターン
1「結果」よりも、「努力したこと・苦労したこと」を重視してしまう
- 日本人は「汗水流して努力したこと・苦労したこと」を過度に賛美する傾向がある
- この傾向のせいで、結果に結びつかない無駄な努力も肯定してしまうことが多く、「結果に結びつく努力」をあまり追求しなくなってしまう
- 「業務の効率化を進めて、社員達の負担を減らして楽になること」にも否定的な感覚を抱きやすく、そのせいで仕事の効率が向上しにくい
2「日本人は『集団の和』を好むため、集団内での競争にかなり不向き」
本項目の一例は、
ろくに自身の業務をせずに自身の仕事を他の社員に投げてばかりいるような迷惑社員も、
会社内での集団の和(集団の中に波風を立たせないこと)を社員達が重視するせいで、迷惑社員を集団内から積極的に排除することに踏み切れない、というものが挙げられます。
集団内に迷惑社員達が居座り続けるせいで、企業の労働効率が低下します。
3「真面目で従順であるせいで、低効率のブラック企業が日本で存続してしまう」
- 日本人がもつ特徴的気質として「真面目で従順」というものがあり、
ブラックな労働環境に置かれたとしても、強く逆らうこと無く、大人しく働き続けてしまうことが非常に多い- このせいで、法的にグレーゾーンの労働環境で社員達を働かせ続けるブラック企業が日本で存続してしまい、日本企業の労働効率が低下することになる
あまりに低効率でブラックな労働環境で働いていると心身を壊してしまうため、転職することも検討するべきだと思われます。
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日本は、労働効率を低下させて生活の平均レベルの向上を選択した
日本と欧米の労働条件の違い
日本の場合 | 欧州やアメリカの場合 | |
---|---|---|
解雇規制の強さ・弱さ | 解雇規制は強く、大多数の労働者は企業で働き続けることができる | 解雇規制は弱く、能力不足のせいで企業で働けない人がたくさんいる |
労働効率 | 解雇規制が強いせいで、労働効率は低い | 解雇規制が弱いせいで、有能な社員のみを企業内に残すことができ、労働効率は高い |
国民生活の平均レベル | 高い (企業で働いて収入を得られる人が大多数であるため) | 低い (仕事を解雇されて働けない人が大勢いるため) |
社会の安定度 | 高い (収入があり生活が安定している人が大多数であるため) | 低い (働けずに満足な収入が得られずに犯罪をする人が多いため) |
日本での働き方の方針は、
「労働効率は低くなるが、
その代わりに、国民達の大多数が働けるようにして、国民達の生活の平均レベルを高くする」
というものです。
日本でブラック企業がかなり多いことの理由は、
そもそも日本企業は全体的に労働効率が低いため、効率の低さを「連日の長時間労働」「長時間働いたわりには給与額が低い」「サービス残業」などの苦労で補うしかない、
というものが大部分を占めています。
以上のことから、
日本での平均的に豊かな暮らしを享受するためには、ある程度の労働効率の低さと、労働効率の低さを補うためのある程度のブラックな労働環境は受け入れるしか無い、
と割り切る必要があるかもしれません。
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