勉強や仕事でやるべき課題から逃げることがクセになっている「逃げ癖」の症状と、
逃げ癖の治し方について解説します。
「逃げ癖」の症状
「大変な課題」「面倒な物事」と直面すると、その場に踏みとどまれずに逃げてしまう
- 本項目が、逃げ癖の主要な症状
- 受験や企業就職などの、重要度が高いやるべきことからも高確率で逃げるため、
自身の人生の状況がどんどん悪化していくことになる
「物事への不安感」への耐性が、並外れて低い
- 大変な課題・面倒な物事のようなものを前にすると、
非常に強い不安感・恐怖感が頭を支配し、それによって、ひとたまりもなく逃げ出してしまう- つまり、「課題に挑戦して、失敗するかもしれない」という不安感への耐性がいちじるしく低い
逃げることについて、おかしな価値観・考え方をもつようになる
- 「今まで逃げ続けてきたけれど、なんだかんだでやってこれたから、今回も逃げても大丈夫」
- 「嫌なこと・大変なことは、未来の自分がやってくれるから、今の自分は逃げても良い」
- 「逃げて規則や社会常識を破った時の、独特のスリル感・非日常感が病みつきになる」
たとえば、このような価値観・考え方
逃げ癖が染みつきやすい人達に共通する、4つの特徴
1「生まれつき、不安や恐怖を特に感じやすい性格をしている」
生まれつき気が弱い性格で、不安や恐怖を感じやすくそれらの感情に流されやすい場合、
困難な問題・課題から容易に逃げ出してしまう「逃げ癖」が染みつきやすくなります。
2「なまけ癖がある」
「面倒な課題や作業をサボりたい・やりたくない」という考えが常態化しているなまけ癖が染みついていると、
なまけ癖から派生して、やるべきことから逃げ続ける逃げ癖が染みつく場合が多いです。
3「これまでの人生で成功体験が少なくて、そのせいで自信が足りない」
人生で成功体験が多ければ多いほど自信が身につきやすくなり、
成功体験が少なければ少ないほど自信が備わりにくくなります。
成功体験が少なくて性格に自信が備わっていない場合、困難な課題から逃げ続けることがかなり多くなると考えられます。
4「人格障害の一種・回避性人格障害を抱えている」
回避性人格障害の症状
- 他者を信用しようとしない
- 他者とある程度以上親しくなると、他者との距離が縮まることに恐怖心に覚えて、自分の方から関係を切ってしまう
- 自ら進んで孤立している
- 自意識過剰であり、「自分のあの言葉やあの行動が、あの人を不快にさせてしまったかも」といった具合にあれこれ深く考えすぎる
- 「自分は劣っている」「自分なんかふさわしくない」という風に考え、自尊心がいちじるしく低い
回避性人格障害の原因
- 幼少期に、両親から十分に愛されなかったり褒められなかった
- 学校などでいじめに遭っていた
- 生まれつきの性格
- 両親から、回避性人格障害の気質が遺伝した
現時点で、回避性人格障害の原因ははっきりとは解明されていません。
上記の項目が、相互に関係し合って回避性人格障害を発症する、と推測されています。
回避性人格障害を抱えている場合、
「課題に挑戦して、失敗してしまうこと」「人前で恥をかくこと」を異常に恐れるようになり、その物事から逃げ回ることが多発するため、
この状況は逃げ癖が染みついていることと同じと言えます。
その人に逃げ癖が染みつく流れ
- ステップ1難しい課題と対面する学校での課題や仕事での業務で、達成することが少々困難な課題が出てくる
- ステップ2難しい課題を前にして不安・恐怖を覚える強い不安・恐怖のせいで「逃げたい」と思い始める
- ステップ3逃げることの味を占める逃げたら負担が一気に軽くなったので、逃げることの味を占めるようになってしまう
- ステップ4逃げることのくり返し&自己嫌悪常習的に物事から逃げるようになり、そんな自分をダメだと感じて落ち込む
- ステップ5逃げ癖が定着してしまうダメな自分を直そうとする気持ちが無くなり、逃げることへの抵抗感がほぼ無くなってしまう
逃げ癖の、3つの治し方
1「小さな成功体験を積み重ねることで、少しずつ自信を育てていく」
- 学校での勉強
- 会社での仕事
- 自身の趣味で、あれこれの課題を達成すること
日々の勉強・仕事・趣味の上での課題を淡々とこなしていくことは、小さな成功体験を積み重ねることになります。
小さな成功体験を積み重ねることで少しずつ自信が身につき、面倒だったり困難な課題に取り組む抵抗感が薄れていきます。
これにより、逃げ癖が少しずつ消えていくことになります。
2「物事への挑戦について、考え方を変える」
- 物事が、自身の理想通りに進まなくてもかまわない、という風に考え方を変える
- 挑戦をした結果、完璧な成果を得られなくても部分的に達成できればそれで良い、という風に考え方を変える
- 何かを達成するためには挑戦することが不可欠であり、挑戦中は「苦痛」「不安」などは決して避けては通れないもの、という風に考え方を変える
3「精神科でカウンセリング治療を受ける」
本記事の4「人格障害の一種・回避性人格障害を抱えている」で解説したように、
逃げ癖の原因が人格障害であるパターンが存在し、精神科医によるカウンセリング治療で回避性人格障害を改善させることが必要な場合があります。
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